「職住近接」メリットとデメリット。徒歩通勤歴16年のイノタスが「実際どうなの?」にお答えします。

こんにちは。徒歩通勤歴が長いイノタスです。

今回のテーマは、「職住近接」についてです。

「職住近接」とは"職場の近くに住むこと"ですが、近年その志向が高まっているようです。

出典:日本経済新聞(2019年2月1日朝刊)

「職住近接」と聞くと、

  • 近いに越したことはない!
  • 休日にリフレッシュできなそう・・・

など、賛成派・反対派、それぞれに意見があると思いますが、わたしは「満員電車のストレス」と「通勤時間のムダ感」には"耐えられない派"なので、職住近接を実践しています。

そこで今回は、「職住近接にはどんなメリット・デメリットがあるのか?」について、"徒歩通勤歴16年"のイノタスが、実体験をもとにお伝えしていきます。

 

職住近接のメリット

「近距離手当」「近接手当」を支給する企業が増えるなど、社会的にも注目されてる「職住近接」ですが、実感するメリットについて書いていきます。

1.通勤ストレスがない

電車通勤の場合、朝のラッシュ時は本やスマホも見れないほど混雑する路線があります。さらに、ピーク時には改札待ちの行列ができる駅さえあります。

体は圧迫され、カバンは押しつぶされ、靴は踏まれ、不快な体臭や音漏れなど、舌打ちが聞こえる殺伐とした車内では、ストレスしかたまりません。そのうえ、遅延や車通勤なら渋滞が起きれば、イライラも募ります。

徒歩や自転車で通えるところに住めば、そういったストレスやイライラから解放されます。また、電車通勤でも2駅程度であれば、ダメージが少なく済むでしょう。

 

2.朝から全開で活動できる

朝から通勤によるストレスやイライラを感じながら「消耗出勤」している人と、サクっと短時間で「温存出勤」できる人とでは、始業時の精神的・体力的なエネルギーに"差"が出て当然です。

職場の近くに住み「温存出勤」できれば、集中力が発揮できる午前中を生産的に使えます。また、「温存帰宅」もできるため、勉強や運動などやりたいことへの気力・体力を残すことができます。

あなたの周りにもいませんか?「ひと仕事やってきたの!?」ってくらい消耗出勤してる人・・・。

 

3.自由な時間が増える

首都圏における「平均通勤時間(片道)」について、

  1. 44.9分(平成25年 総務省統計局データより)
  2. 67.7分(平成27年 国土交通省 大都市交通センサスより) ※電車利用者のみ
  3. 東京都内への通勤に50分以上かかる人の割合:60.0%(2016年 マクロミル調査)

という調査結果があります。

わたしの場合、通勤時間は徒歩5分(往復10分)なので、通勤に60分(往復2時間)かかる人とでは、1日あたり1時間50分、5日で9時間10分も"自由な時間"があることになります。

もちろん、その時間を有意義に使えているかどうかが大事ですが、ただ会社の近くに住むだけで、「その人の能力にかかわらず自由な時間が生まれる」というのは、大きなメリットです。

 

4.トラブルを回避できる

職住近接にすると、通勤時に起きる様々なトラブルを回避・対処できます。

  • 電車遅延や交通渋滞
  • 天災や事故による出勤困難・帰宅難民
  • 忘れ物を取りに戻れる

特に朝の電車遅延や交通渋滞は頻繁に起きるため、その都度イライラしたり焦ったりすると、より精神的に消耗してしまいます。

また、勤めている会社の規則上、公共交通機関の遅延による遅刻にはペナルティがないとしても、大事な用件に遅れたりすればマイナスでしかありません。

「すぐ会社に行ける」「すぐ家に帰れる」という環境は、心に"ゆとり"をもたらしてくれます。

 

5.好印象を持たれる

会社の近くに住むと、

  • 仕事に対して前向きだ
  • 時間の大切さを分かっている

など、本人にその意図がなくても、「やる気がある」「賢い」「効率的だ」といった"好印象"を持たれます。(ま、限定的ですけど)

ただ、近いが故の油断や気の緩みにより「寝坊」などしようものなら、「近いくせに!」と倍返しを食らうので注意が必要です。

職住近接のデメリット

「職住近接はメリットだらけ」と言いたいところですが、人によってはデメリットにもなります。わたしも経験したことなのでお伝えします。

1.遅くまで仕事してしまう

「すぐ家に帰れる」という環境だと、切りなく遅くまで仕事をしてしまうケースがあります。特に徒歩圏内の場合は、終電時間が気にならないため注意が必要です。

「どうしても今日中に終わらせなきゃいけない」など、特別な事情がある時はメリットになりますが、ダラダラ遅くなってしまうケースが多いので、しっかりメリハリを利かせる必要があります。

 

2.家賃が高い

不動産情報サイト「at home」によると、現在わたしが住んでいる新宿区の家賃相場は12.3万円で、以前住んだことのある川崎市の家賃相場は8.4万円となっています。(当時の通勤時間は片道約55分でした)

特に都心周辺に住む場合は、よほど駅から離れるか間取りを狭くしない限り、3~5万円の上昇を覚悟する必要があります。

 

3.遅寝・遅起きになる

朝は「ギリギリまで寝てる」という人は、職住近接になると遅寝・遅起きになりがちです。わたしも職住近接を始めたころ、「早く起きなくていい→夜ふかしする→寝坊する」というのを、何度かやらかしました。

先述したように「すぐ会社に行ける」という環境は、心にゆとりをもたらしてくれますが、油断や気の緩みを生むこともあるため注意が必要です。

小学生の時、学校の隣に住んでいた子に「絶対遅刻しないからいいよね」と言った記憶がありますが、まったくの考え違いでした。

 

4.何かと頼まれる

新人時代や「人がいい人」にとっては、これが一番のデメリットかもしれません。以下、職住近接が故に、勤務時間外(早朝、夜間、休日)に経験したことです。

  • カギを忘れたから開けに来て欲しい
  • カギを閉め忘れたから閉めて欲しい
  • 資料を持ち忘れたから持って来て欲しい
  • ○○(トラブルや緊急ごと)に対応して欲しい
  • 終電を逃したから泊めて欲しい
  • 終電を逃したからタクシー代を貸して欲しい

などがありました。

特に、こちらが徒歩圏内だと、頼んでくる相手の「遠慮度」が低い傾向にあるため、何かある度に頼られてしまうケースがあります。

「徒歩圏内は避ける(1~2駅程度離れる)」「勤務時間外は電話に出ない」など、"便利屋"にならない対策が必要です。

おわりに

川崎市に住んで都内へ電車通勤していた頃、満員電車に耐えられず「オフピーク出勤」でしのいでいましたが、片道55分の通勤も「ムダに疲れる」と思い、会社の近くに住むようになりました。

わたしは、経験上「近くていいね」としか言われたことがなく、冒頭のように"職住近接志向"がより高まっている様子も見ると、「実践した者勝ち」なのかなと感じています。

ただ、家庭の事情などにより「したくてもできない」という方は、こちらの記事を参考にしてもらえればと思います。

最後まで読んでいただき、ありがとうございましたm(__)m