こんにちは。長年付き合ってきたななことの別れ時を迎えているイノタスです。
2019年4月4日、セブン&アイ・ホールディングスは、電子マネー「nanaco」利用時に付与する「nanacoポイント」の還元率を、7月1日より1%→0.5%に変更すると発表しました。
別れ時か?
また同時に、セブン&アイグループが発行しているクレジットカード「セブンカード」利用時の「nanacoポイント」還元率も、0.5%減少されます。(※詳細はこちら)
一方、2018年6月からスマホアプリ会員へ提供してる「セブンマイルプログラム」のリニューアル(2019年9月予定)や、セブン独自の"バーコード決済"「7pay」(セブンペイ)を2019年7月から開始すると発表しました。(「○○ペイ」もういいよ・・・)
これらの変更について、セブン&アイ側の説明では、
- 9月から開始予定の新「セブンマイルプログラム」では、貯まった「セブンマイル」をユーザーの好きなタイミングで、nanacoポイントに交換できる。
- 「7pay」利用により、nanaco決済時と同様にnanacoポイントが付与され、サービス開始後一定期間は、ポイント付与率を上乗せするキャンペーンなどを行う予定。
「より多くのお客様に分かりやすく、使いやすい形で、複合的にメリットを還元します」
というように「改悪ではない」アピールをしていますが、現時点で判明している情報の限りでは、「分かりにくく、使いづらい形になり、メリットが減る」という状況になっています。
そこで今回は、7月以降にnanacoポイント界隈がどのように変わるのか?をまとめてみます。
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nanacoポイントの還元率半減(1% → 0.5%)
これまで、セブンイレブン、イトーヨーカドー、デニーズなどのセブン&アイグループの店舗でnanacoを使うと、「100円につき1nanacoポイント(還元率1%)」が付与されていましたが、2019年7月以降は、「200円につき1nanacoポイント(還元率0.5%)」に半減されます。
「1nanacoポイント=1円」として買い物に使えるため、nanacoユーザーにとってショッキングな発表です。
一方、9月にリニューアルされる「セブンマイルプログラム」(アプリ会員向けサービス)では、「200円につき1マイル(還元率0.5%)」が付与されるため、アプリ会員になれば還元率1%を維持できるように見えますが、
「1マイル=1nanacoポイント」というレートで交換できるのか?という疑問が残ります。
(現状のプログラムではそうなっておらず、今回の発表でも「交換単位は検討中」となっている)
また、
- 「貯まったマイル→nanacoポイントに交換→買い物で使えるようマネーに交換」って面倒
- アプリ縛りだから「nanacoカード」の人はレジで"スマホとカード"両方出すって面倒
というように、nanacoを使うだけで1%ポイントが付与される現状に比べると、分かりにくく、使いづらい変更です。
「nanacoカード」で買い物する人を減らして、アプリ会員を増やしたいというセブン&アイ側の思惑だけが分かりやすい。
ここで、「セブンマイルプログラム」について少し解説します。
「セブンマイルプログラム」ってなに?

2018年6月にスタートした「セブンマイルプログラム」は、セブン&アイグループの店舗(セブンイレブン、イトーヨーカドー、西武・そごう、ロフトなど)での買い物などで「マイル」が貯まるサービスです。(購入金額1円につき「1マイル」貯まる)

ただ、利用するにはアプリをダウンロードして会員登録する必要があります。
また、各店舗ごとにアプリをダウンロードする必要があり、会計の際にレジでアプリを起動させて会員コードを提示しなければならないため、少し面倒なサービスです。



なお、貯まったマイルに応じて「ランク」が上がり、

ランクに応じて様々な「特典」がもらえるというサービスです。

また、ランクアップ特典によりnanacoポイントが付与されますが、

このように、現状の付与率は、0.2~0.3%という程度です。(購入金額1円につき1マイル)
"新"「セブンマイルプログラム」ではどうなる?
セブン&アイの発表によると、2019年9月にマイルプログラムのリニューアルを行い、
- 付与率を「購入金額200円につき1マイル」に変更
- 貯まった「マイル」はユーザーの好きなタイミングでnanacoポイントに交換できる
ということですが、「交換単位は検討中」となっているため、「1マイル=1nanacoポイント」として、今回のポイント半減分を補うことができるのか?については、明らかになっていません。(せめてそうなってほしい・・・)
「7pay(セブンペイ)」の導入決定 → 2019年7月開始予定
また、今回の発表によると、以前から話の出ていた"セブン&アイ独自のスマホ決済"「7pay」(セブンペイ)が、2019年7月よりサービス開始予定とあります。
「スマホ決済」とは、PayPayやLINE Payのように、アプリを使ったQRコード/バーコード決済のことで、スマホの機種を問わず利用できる特徴があります。
nanaco利用時と同様、「7pay」利用時もnanacoポイントが付与(還元率0.5%)されますが、開始当初はセブンイレブンでしか使えないようです。(2019年10月以降、他の店舗や加盟店でも導入予定)
スマホで使える「nanacoモバイル」は、Android機種でしか利用できないため、7payの登場により、iPhoneユーザーは決済手段が増えて便利そうですが、正直「○○ペイもういらないよ・・・」ってマジで思います。
日本はiPhoneユーザーが多いため、スマホの機種を問わず利用できる"コード決済"を各企業が導入したい意図は分かりますが、「○○ペイ」が乱立しすぎて利用者は戸惑う一方です。
ま、「サービス開始後一定期間は、ポイント付与率を上乗せするキャンペーンなどを行う予定」とあるので、コンビニ業界の王者がどれくらいやってくれるか見ものです。
なお、セブンイレブンは「7pay」導入に併せて、他のバーコード決済にも対応するらしいので、なおさら"いらない感"が強まります。

出典:日本経済新聞(2019年4月11日朝刊)
まとめ
2019年7月以降に実施される"nanacoポイント界隈"の変更点についてまとめです。
- nanaco利用時のnanacoポイント還元率が1%→0.5%に半減される
- セブンカード利用時のnanacoポイント還元率も0.5%ダウン
- リニューアルされる「セブンマイルプログラム」が今回のポイント半減分を補えるかは不明
- バーコード決済「7pay」がセブンイレブンで導入(nanaco同様にポイント還元率0.5%)、他のコード決済にも対応か?
- 「nanacoカード」利用者はアプリを併用しないとポイントや特典が薄れる
おわりに
今回の発表で一番イラッとしたのは、
「nanacoポイント付与率は減っちゃいますけど、アプリ会員になってくれれば得ですし、7payもしばらくポイント上乗せしますから、より満足してもらえますよ」という言い分です。
「こっちの囲いに入ってくれるなら、また元のようにポイントあげるよ」的な姿勢。
ポイント付与率減少に対して、アプリ会員登録を"補償の交換条件"として使ってきたところに、姑息さを感じます。
また、"アプリ会員を増やして顧客の囲い込みをしたい"というセブン&アイ側の思惑がバレバレなのに、「より多くのお客様に分かりやすく、使いやすい形で、複合的にメリットを還元します」とうそぶいています。
いやいやいや、あれこれアプリに登録させられるより、nanacoを使うだけで1%ポイントが付与される形の方が、よっぽど分かりやすく使いやすい形だろ。
新たな「特典プログラム」を用意したり「7pay」を始めるのは勝手だけど、条件を付けてきたり複雑で使いにくくするのは止めて欲しい。
セブン&アイほどの大企業が、こんなに分かりやすいやり方で"自己都合"をゴリ押してくるとは驚きです。
ま、イトーヨーカドー「5年連続赤字」だから必死なんだろう。
「アプリ会員の登録が想定通りに進まないと、集客力の低下を招く可能性もある」と冒頭に載せた日経新聞の記事にありますが、
- セブン&アイが本当の意味で「複合的にメリットを還元」できるのか?
- nanaco離れ、セブンカード離れ、顧客離れが進むのか?
など、今後の動向にも注目です。
最後まで読んでいただきたい、ありがとうございましたm(__)m