「起業・副業」まとめ その③ 「起業ネタの探し方」第一弾。起業の最大の悩みを克服する。

こんにちは。「1分間自己紹介」にはまっているイノタスです。

前回の記事では、「ひとり起業」に向いたビジネスモデルをテーマに、「専門家を目指す」と「サークルモデル」の2パターンについてお伝えしました。

続く今回の"副業から始める起業シリーズ"は、「起業ネタの探し方」の第一弾です。

  • どんな商品やサービスで起業するのか?(ネタがない)
  • 会社に勤めながらどうやってビジネスをスタートさせるのか?(やり方がわからない)
  • 自分にできるのか?(自信がない)

これらは、起業を始めるにあたっての代表的な悩みです。特に「起業ネタ探し」は、起業する上で最大の悩みと言えます。「自分には特別なスキルや専門知識なんてない!」と思い込んでいる人が圧倒的に多いからです。起業に興味はあるものの、それが原因で何年もスタートを切れないという人が大勢います。

私の副業も振り返ると、知人に頼まれて始めたものなので「いつの間にか副業してた」という感じですし、本業での経験がそのまま副業になっているため、起業ネタの探し方については考えたことがありませんでした。

ですが今回、7冊まとめ読みをしたおかげで(実際もっと増えた)、起業最大の悩みである「起業ネタの探し方」についてのポイントを整理できたので、その第一弾をお伝えしていきます。

 

自分の「強み」を明確にする

専門家を目指すにしてもサークルモデルを始めるにしても、まずは「起業ネタ」を探す必要があります。どの分野でスタートするかを決めなければ先に進めません。

「ネタがない」という人はもちろん、「自分はこれで起業する」と決めている人もちょっと待ってもらって、これからお伝えする起業ネタの探し方を参考に、一度じっくり考え抜いてもらえればと思います。

スタートは「洗い出し」

起業ネタを見つける最初のステップは、自分のリソースの洗い出しです。「棚卸し」と言ったりもします。リソースとは資源という意味で、あなたが持っている知識や経験、資格や専門性、能力や性格などのことです。これらをどんどん書き出していく作業が「洗い出し」になります。

洗い出しの目的は直接的な起業ネタを見つけることではなく、そのヒントとなるあなた自身の強みを明確にすることです。「ひとり起業の強化書」という本では、"強みに基づいた事業を選択することが最も大切なこと"と書かれていて、「強みとは利益(価値)を生み出す源泉になるもの」と定義されています。

専門家を目指すにしてもサークルモデルを始めるにしても、この考えは同じです。なので、まずはあなた自身の強みを明確にするために「リソースの洗い出し」をしていきます。拍子抜けしたかもしれませんが、これをしっかりやっておくことで、あなたが求める起業のかたちが見えてきます。先を見ればここに時間と労力を投資しておくことは、とても有益になります。

洗い出しの方法はいくつかありますが、これから説明する「好きなこと」「得意なこと」を軸に洗い出しをしていく方法がお勧めです。

好きなこと

まずは「自分が好きなこと」を洗い出していきます。優秀なビジネスマンほど「世の中のニーズ」を考察して、それを満たしたり解決したりする商品やサービスで起業しようとします。もちろん、誰からも見向きされない商品やサービスではビジネスになりませんが、「好きなこと」を軸にした起業は長続きしやすくなります。

自分が好きなことであれば、なかなか軌道に乗らなくても続けられる原動力になりますし、何より「そのことが好き」という気持ちが、人を惹きつける最大の強みになります。「世の中のニーズ」に目を向ける前に、いつまでも話し続けられるような「好きなこと」に着目してみましょう。

「好きなこと」洗い出しのヒント
  • いつまでもしゃべっていられること
  • 集中力が続くこと
  • 子供のころによく遊んだこと
  • ハマったことがあること
  • もっともお金や時間をかけたこと
  • お金を払ってでもやりたいと思えること
  • お金をもらわなくてもやりたいと思えること

私もこれをやりましたが、初めはなかなか出てこないというか「これは起業ネタにならないだろ」という思い込みが邪魔をしました。ただ、気にせずどんどん書き出していくと、忘れていたことを思い出したり、強みとなるような意外なことが出てきたりします。なので、先入観にとらわれず、数多く出すことがポイントになります。

得意なこと

「得意なこと」を軸に起業すると、相手から求められたりお金を稼げたりなど"具体的な成果"が出しやすくなります。「週末起業」提唱者の藤井孝一さんは、"仕事での経験や専門性(=得意なこと)を活かせば下地ができているため、成功の確率が高くスピードも早い"と断言しています。

具体的な成果が出れば楽しくなりますから、これも長く続けられる要因になります。なお、好きなことというのは主観なので自由に選べる一方、得意なこととなると「どんなレベルで?」と相対的に考えてしまいがちですが、まずは「平均よりは上かな」くらいの感覚で洗い出していきます。

「得意なこと」洗い出しヒント
  • 仕事上での経験、実績を上げたこと
  • 人に喜ばれたこと、感謝されたこと
  • 人からよく頼まれること
  • 人からよく褒められること
  • 自分では当たり前にできること(他の人はそうじゃないけど)
  • まわりの10人中8人より詳しいと思えること
  • もっともお金や時間をかけたこと
  • 悩みや苦労を克服したこと

こっちの洗い出しも初めはなかなか出てきませんでした。「得意とまで言えることなんてない」と思ってましたから。上のヒントも使えますが手っ取り早いのは、ズバリ人に聞いてみることです。「そんなことが!?」と思えることが出てくるので面白いですし、いいヒントになります。

洗い出しのポイント

リソースの洗い出しをする上で、もっとも大事なことは"実際に書き出す"という作業です。頭の中だけで何となく終わらせるのではなく、手を動かして実際に書いてみることです。パソコン入力は便利ですが、熟考したり思い出したり脳をフル回転させるアウトプットの際は、手書きのほうが効果的だと私は考えます。

その他にもポイントがあるので、以下にまとめてみました。

時間をかけてやってみる

「洗い出し」はとても地味な作業ですが、時間をかけてじっくりやってみることをお勧めします。できれば丸1日使って、邪魔の入らない集中できる場所で、実際にノートに書き出していきます。一日中集中はできませんが、洗い出しに専念できる時間と場所を確保してやることが大切です。

週末や連休を使って自宅でできればベストですが、私は本気で集中したい時ホテルに泊まります。いいホテルを選ぶ必要はありませんが、雰囲気も変わり邪魔の入らない静かな環境を得られます。図書館やカフェでも集中できる人はいいですが、本気で集中したい時はホテルをお勧めします。

先入観にとらわれず思いつくだけ書き出す

「ありきたりだ」とか「これは起業ネタには関係ないこと」といった先入観にとらわれず、まずは思いつく限りどんどん書き出してみます。書き出していくうちに思わぬ気づきや新たな発見があるものです。

先述した"洗い出しのヒント"を参考に、とにかく数多く書き出していきます。また、書き出したものをじっくり眺めることで、新たな気づきや発見につながることもあります。

効率的な洗い出しのやり方 ①自分年表を作る

私が思うもっとも効率的な洗い出しの方法は、①自分年表を作る、②人に聞くです。

「自分年表を作る」とは、過去の経験を時系列で書き出していく作業です。幼少期から現在までを振り返りながら、「経歴(学生時代と仕事)」と「プライベート」に分けて書き出していきます。大きなイベント(入学や卒業、就職や転勤、転職や結婚など)から書き出していくと、他のことも思い出しやすくなります。

書く際のポイントですが、事実は事実として、思い出したくないことも含めて客観的に書いていくことです。過去を振り返り「やったこと、やれなかったこと、出した成果、成功したこと、うまくいかなかったこと、挫折したこと」を書き出し、それぞれに感想を添えていきます。

例えば私の場合、訪問販売をしていた経験、朝7時から夜中まで仕事をしてその日中に帰れたのが2年半の間で3日しかなかった経験、40人ほどの会社で経理、財務、総務、労務、人事、採用、法務、営業事務、顧客管理などのバックオフィス業務全般を同時にしていた経験、電車通勤が苦手で転職のたびに徒歩圏内に引越してきた経験などがあります。

振り返ることで、自分の「好き・嫌い、得意・苦手」や「何をやりたいのか、やりたくないのか」を見つけることができます。自分年表を作る理由はここにあります。これを作ると、好きなこと・得意なことを洗い出していく際に役立ちますから、その準備として書き出すことをお勧めします。

効率的な洗い出しのやり方 ②人に聞く

これは特に「得意なこと」を洗い出す際に効果的です。あなたにとっては"当たり前"のことも、他の人にすればすごいことだったりするからです。あなたのことをよく知っている人に聞いてみるのもいいですし、引き出し(ヒアリング)が上手な人に聞いてみるのも効果的です。

自分の好き嫌いは直観的にわかるものですが、「得意なこと」は周りの人たちのほうが知っていることが多いものです。人から思いがけない高評価をもらい、自分が持っている新たな価値に気づくこともあります。「人に聞くのは恥ずかしい」などの抵抗感を持つかもしれませんが、客観的な目を通すことで、あなたの気づかない思わぬリソースが見つかります。

好きなこと × 得意なこと = 理想的な強み

洗い出しの結果、理想的なのは好きなことでかつ得意なことが見つかることです。

  • 好きなこと:夢中になれる、長続きする、人を惹きつける
  • 得意なこと:人から求められる、人の役に立てる、成果を出しやすい

この2つが掛け合わさったことが見つかれば、洗い出しは成功です。「理想的なあなたの強み」ということになります。

他のリソースも掛け合わせてみる

好きなこと・得意なこと以外のリソースも掛け合わすことができれば、あなたの強みはより魅力的なものになります。

  • 人脈:仕事関係、趣味活動、上司、部下、同僚、先輩、後輩、友達、家族、親戚など
  • 知識:資格、仕事や趣味などで得たもの、勉強したり詳しく調べたことなど
  • 経験:部活、留学、転職、海外赴任、起業、副業、投資、婚活、旅行、ゲームなど

例えば私の場合、人から言われて気づいたのですが、駅徒歩1分・通勤徒歩5分のところに住んでいるというリソースがありました。「他の人が気にしない・気づかないようなことによく気づく」と言われたこともあります。

"好きなこと × 得意なこと"を軸に、他のリソースも掛け合わせることができれば、それは他者にはマネできない「あなた独自の強み」になります。

「起業ネタの探し方」第一弾まとめ

強みに基づいた起業を目指す
  • リソースの洗い出し:実際に書き出す、時間をかけてやる
  • 好きなこと:夢中になれる、長続きする、人を惹きつける
  • 得意なこと:人から求められる、人の役に立てる、成果を出しやすい
  • 自分年表を作る:過去の経験を時系列で書き出していく
  • 人に聞いてみる:思いもよらなかった自分が持っている価値に気づく
  • 好きなこと×得意なこと=理想的な強み
  • 様々なリソースを掛け合わせる:他者にはマネできない独自の強み

おわりに

今回は「起業ネタの探し方」の第一弾として、"リソースの洗い出しを通じて自分の強みを明確にする"ということをお伝えしました。洗い出しは地味な作業ですが、強みに基づいた起業をする上では欠かせないことです。

「もし、木を切り倒すのに6時間与えられたら、私は最初の4時間を斧を研ぐのに費やすだろう」とはリンカーンの有名な言葉ですが、これは極端にしても洗い出しはこんなイメージです。長い目で見れば、ここに時間と労力を費やすことはとても効率的です。

「好きなことでかつ得意なこと」が見つかれば理想的ですし、さらに他のリソースも掛け合わせることができれば強力な強みになりますから、ぜひそれが見つかるまで時間をかけて「洗い出し」をしてください。

最後まで読んでいただき、ありがとうございましたm(__)m